モニ1000チョウ類調査 8月第2回

◆実施日
 2022年8月25日(木)
◆コース(奥多摩むかし道)
 奥多摩VC 9:40(集合)~ サイカチ林道起点 10:25 ~ 小中沢広場(昼食)13:05〜13:30 ~ 境集落 〜 しだくら橋※(調査終了15:20)~ 梅久保バス停 ~ 奥多摩VC 16:20(報告後解散)
 (※しだくら橋~西久保切り返しの区間は、天候と時間の都合で調査をせず、きりあげました)
◆気象条件等
 [開始時]天候 曇り、日差し なし、気温 24.6℃、雲量 100%、風力 2
 [終了時]天候 曇り、日差し なし、気温 23.5℃、雲量 100%、風力 0
◆メンバー
 奥多摩サポートレンジャー会 会員 5名

 今次調査は「黒いアゲハ祭り」でした。むかし道はクサギとボタンヅルが満開です。特にクサギはアゲハが大好きな花で、毎回アゲハ観察ポイントです。前回調査時にいよいよアゲハシーズンと感じましたが、今日はクサギに何頭もの黒いアゲハチョウが吸蜜に訪れており、種数は前回と同じ5種類でしたが、多数が飛び回ってはまた戻ってくるという行動をとるので正確なカウントが難しいくらいでした。特にモンキアゲハは白い紋が目立つので、飛び回る様が追えて感激でした。

クロアゲハ
クロアゲハの求愛行動
カラスアゲハ

カラスアゲハ(左)とクロアゲハ(右)
モンキアゲハ
調査の様子(クサギに集まるクロアゲハ、カラスアゲハを撮影、カウント中)

 また前回、セセリチョウを見る機会が少ないような・・・と報告しましたが、今回は多くのセセリチョウを見ることができました。特にイチモンジセセリがいくつかの場所で多数みられました。『越冬した世代が平地~丘陵地の水田で発生・増殖し、移動・分散を行いながら秋にかけて個体数が増加する』*チョウなので、ちょうどその時期だったのかもしれません。地元の都市公園でもこのところイチモンジセセリが多数見られます。

*「フィールドカガイド増補改訂版・日本のチョウ」日本チョウ類保全協会編、誠文堂新光社より

イチモンジセセリ(ケイトウで吸蜜中。メハ
ジキ、クズ、キバナコスモスでも吸蜜)

 セセリチョウ類ではこのほか、キマダラセセリ、ヒメキマダラセセリ、ダイミョウセセリを確認しました。ヒメキマダラセセリは東京都区部では「絶滅危惧ⅠA類」*、ダイミョウセセリは同じく「絶滅危惧Ⅱ類」(東京都レッドリスト・本土部2020年版)です。幸いなことに多摩地区ではランク外です。

ダイミョウセセリ
ヒメキマダラセセリ
ヒメキマダラセセリの求愛行動

 クサギやボタンヅルだけでなく、クズの花も満開に近い状態でした。しばらく待っていると期待通りにウラギンシジミがやってきました。幼虫の食草がマメ科植物で、特にクズのある場所にはよくやってくるようです。

ウラギンシジミ

 さらに今回もスミナガシに出会うことができました!  が、今回も残念なことに近くでゆっくりは観察できませんでした。頭上5-6mを逆光で飛んでおり、目視で視認できたのは隊長のみ。それでもシルエットを追いながら、これがスミナガシの飛翔と頭に叩き込みました。
 なお、夏に見られる黒い夏型のサカハチチョウを今季まだ確認していません。気になるところです。次回調査で気をつけて探してみたいと思います。

 そのほかに見られたチョウの写真です。

イチモンジチョウ
キタキチョウ

スジグロシロチョウ
ヒメウラナミジャノメ
コジャノメ

<番外編>
 メンバーのひとりが奇妙なものを見つけました。ちょっと不気味ですが、何かの脱皮殻(抜け殻)のようです。見つけた本人が調べてくれました。オオゲジだそうです(ゲジゲジは俗称で標準和名は「ゲジ」)。たくさんの長い脚をどのように脱皮するのか、実際に見てみたいものです。

オオゲジ 脱皮殻

◆観察できたチョウ(合計19種)
 シロチョウ科2種(キタキチョウ、スジグロシロチョウ)
 アゲハチョウ科5種(クロアゲハ、オナガアゲハ、モンキアゲハ、カラスアゲハ、アオスジアゲハ)
 シジミチョウ科3種(ウラギンシジミ、ルリシジミ、ヤマトシジミ)
 タテハチョウ科5種(イチモンジチョウ、コミスジ、スミナガシ、コジャノメ、ヒメウラナミジャノメ)
 セセリチョウ科4種(イチモンジセセリ、キマダラセセリ、ヒメキマダラセセリ、ダイミョウセセリ)

◆レポート:イモリスト

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