【自主巡視】長沢背稜

実施日:2025年10月4日(土)-5日(日) 参加者:4名                            行程:鴨沢BS〜七ツ石小屋〜雲取小屋(泊)、雲取小屋〜芋ノ木ドッケ〜(長沢背稜)〜天目山〜東日原BS

ハイカー:59名(1日目)、6名(2日目)               

奥多摩サポレンで初めて、長沢背稜主要ピークを通した自主巡視になった。                            1日目:小雨/曇り/雨;鴨沢登山口から行動を開始した。                             昨年設置した石積み境界線は部分的に曖昧になっていたが、五十人平から雲取山頂避難小屋までは比較的明確に残っており、全体として植生が回復途上だった。この日は終日曇りとガスで眺望は望めず、翌日の本格作業を前に早めの就寝。  

              

2日目:晴れ/曇り/雨;6時行動開始。芋ノ木ドッケ分岐を境にハイカーが急減した。ヨコスズ尾根を降りるまでの登山道概況と活動報告は、以下の通り。

①道標の表示機能;汚れで文字が判別しづらい金属板は最低限の清掃を行った。色が褪せて判読できない刻字された木製道標も複数あり。                                                   ②道標の損壊状態;設置場所により損壊程度が異なり、金属自体の損壊があり現地修復が困難なケースも複数確認した。木製部に損壊ある複数道標には黒色の体毛が散見され、クマによる被害と想定された。                                                  ③道標の設置状態;全体を通して道を見失いやすい箇所が多く散見された。迷いやすい箇所を中心に道標の設置密度が高い領域(長沢山〜水松山)があり、そこでは道標の指し示す方角に従うと本来のルートからやや外れた方へ導かれる箇所があった。限られた時間の中で、道迷い防止策を施した(辿るべきでない踏み跡にXマークの設置、補助矢板の向き修正、赤テープの再配置)。                                                   ④転倒/道迷いリスクの調査;植物の根が地表に多く露出している箇所(芋ノ木ドッケ〜長沢山)/落ち葉と苔で覆われた木製橋(複数箇所)など、極めて滑りやすく転倒・滑落を誘発する危険な箇所が多数見られた。それら危険を認識して歩いた参加者ですら複数名が転倒した。地面が濡れた状態での巡視は事故リスクが高く、登山経験が多くでも危険な場所がある。慎重な判断が求められるルートと感じた。                                                   ⑤避難小屋の状態;小屋・トイレは比較的良い状態で維持されていた。一杯水小屋周りの椅子が、1つを除き殆どが崩壊して使用できない状態だった。                                                   ⑥その他;色とりどりのキノコが観察でき秋らしい山を感じた一方、紅葉は殆ど見られなかった。ヨコスズ尾根登山道沿いのナラ枯れ発生数が夥しく、登山道沿い以外の状態を想像すると想像を絶する。

長沢背稜はどのエスケープルートでも下山口までの行動時間が長くなる。更に日没時間が早くなる秋口では補修・点検作業に時間を取ることで下山が日没後になる可能性が飛躍的に高まる。加えて、山歩き経験が少ない/体力が十分でないメンバーがいる場合は、輪をかけて行動時間が伸びると思われる。参加メンバーの山歩き経験・催行時期を十分に考慮した計画を組む必要性が高いルート、と感じた。

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