実施日:2025年9月16日 晴れ時々曇り
コース:武蔵五日市-千足BS-天狗滝-つづら岩-大岳山-鋸山-鋸尾根-奥多摩駅
参加者:奥多摩サポートレンジャー6名
9月中旬になっても日差しは体力を消耗するような強さでしたが、コースが渓谷から森林の中なので気持ちの良い山歩きが楽しめました。
北秋川の千足バス停で降り「関東ふれあいの道/天狗滝・綾滝」の道標を確かめて登山を開始しました。車道を300m進んだところに公衆トイレがあり、集落を越えると渓流に沿って登山道が続きます。飛び石の上に乗って何回か渡渉を繰り返すと「小天狗の滝」「天狗の滝」を見ながら、さらに見応えのある「綾滝」に着きます。ここで先週の「槇寄山」で教えてもらったクマ対応の爆竹を「パン!パン!パン!」と3つ鳴らしました。その後も何回か鳴らしながら歩きました。

尾根に出るまでは急登が続きますが指導標と矢羽の道標がしっかり案内をしてくれます。踏み跡があって迷い込みやすいるところには粗朶を積んで登山道から外れないようにしました。
滝のある崖や「つづら岩」「鋸山」の山頂に見られる岩石について、地形と地質(岩石)の関係を観察しました。ゴツゴツした岩石で覆われている山頂や険しい岩場が続く稜線の岩石はチャートいう岩石です。チャートはたいへん硬い岩石で、鉄より硬いので釘で擦っても傷がつきません。砂や泥の岩石よりも硬いチャートの岩石のあるところは、風化されにくいために山頂やゴツゴツした稜線という地形になったというわけです。そしてチャートという岩石から、日本列島の歴史に関するプレートテクトニクスのことまで話題になってしまいました。

ナラ枯れの被害は大岳山でも深刻な問題です。大きな木が立ち枯れていて落枝や倒木の心配があります。さらに近年はカエンダケが大発生しており、発見したものは危険のないようにしっかり処分しています。しかし今回は数が多すぎて全てを処分することができませんでした。イノシシが掘り返したところにカエンダケが大量に残されていました。この様子からイノシシはカエンダケを食べていないことが想像できます。カエンダケの恐ろしさはイノシシなどの動物にも知れ渡っているようです。

今回の巡視コースは距離が長かったので明るいうちにゴールできるか心配していましたが、カエンダケの処理活動に多くの時間を要したために、愛宕神社から登計園地までの下りでヘッドライトを使うことになってしまいました。