環境省モニタリング1000 inむかし道 (チョウ類調査)

 7月第2回目の調査は梅雨明けのピーカンかと思いきや、台風のせいか関東地方は梅雨明けがおあずけとなりました。それでも日差しがある明るい中を出発し、調査区間に入る前に、はや6種ものチョウを観察し、メンバーの声もなんだか弾みます。
 今日のトピックは2つ。ひとつはオオムラサキ、しかもきれいな雄個体がじっくり見られたことでした。タテハチョウの仲間ですが大きくて美しいチョウです。東京都のレッドリスト(絶滅の恐れのある野生生物種リスト)では多摩地区についてはランク外ですが、23区では絶滅種とされています。国蝶とされているのに、全国どこでも簡単に見られるチョウではなくなってしまったのは残念なことです。
 もうひとつは、調査も終盤の道所で、今までむかし道では記録のないホソバセセリを確認できたことです。図鑑と照らし合わせながら、ホソバセセリ!?と、ちょっと盛り上がりました。
 女性が美しいチョウとしてあげるNo.1とも言われるミヤマカラスアゲハも、雄の吸水行動を観察できました。また、蛹の脱殻にとまり羽を乾かしている羽化後のイチモンジチョウを観察できたのも嬉しいことでした。新しい命の誕生(正確には卵からの孵化ではないので違いますけれど)に出会えると、それが虫であっても嬉しくなります(ただし、家ゴキブリだけは例外です!)。  
 天候は安定しておらず、後半は次第に雲が多くなりチョウの出現も伸び悩みましたが最終的に20種を観察しました。黒いアゲハチョウ科類が種数、個体数とも多く、夏のアゲハチョウの季節になったという感じでした。

  実施年月日: 2019年7月25日(木)
  開始時刻: 10:20  晴れ  日差し 直射  気温 28.6℃  風力 1
  終了時刻: 14:35  曇り  日差し 無し  気温 28.0℃  風力 0

☆コース: 奥多摩VC 9:30~サイカチ林道起点10:20~小中沢~しだくら橋(昼食)12:00~道所広場~西久保切り返し14:35~桃が沢バス停~奥多摩VC報告16:50(解散)
☆出会ったハイカー: 12名
☆メンバー: 奥多摩サポートレンジャー会会員 5名
☆写 真: とりばね、るいようぼたん、E・S、マサ、イモリスト
☆レポート: イモリスト

◎観察できたチョウ(合計20種)
 アゲハチョウ科5種 (アゲハ・オナガアゲハ・クロアゲハ・カラスアゲハ・ミヤマカラスアゲハ)
 シロチョウ科3種 (キタキチョウ・モンシロチョウ・スジグロシロチョウ) 
 シジミチョウ科4種 (ウラギンシジミ・ムラサキシジミ・ヤマトシジミ・ルリシジミ)
 タテハチョウ科7種 (イチモンジチョウ・コミスジ・ミスジチョウ・ホシミスジ・サカハチチョウ・アカタテハ・オオムラサキ) 
 セセリチョウ科1種 (ホソバセセリ=サポレン初観察)

オオムラサキ♂ - 日本の国蝶とされています.
ホソバセセリ - 奥多摩サポレンで初確認だそうです. 黒く縁どられた白い斑紋が特徴的です.
東京の丘陵地で見られるセセリチョウの中では珍しく年1化(1年に1回の発生).
ミヤマカラスアゲハの吸水行動. 特に羽化した新鮮な♂に強い行動です.
吸水しながら尾端から排水するポンピングも断続的に見られました.
せっかく吸水しているのにこんなに出してしまうんだぁ・・・と思うくらいでしたが、♂の成熟にはナトリウムや含窒素化合物などの摂取が必要だそうで、水というよりこれらを摂るためなんでしょうね.
ミヤマカラスアゲハ♂ - 飛翔です. 輝く羽が実に美しい.
イチモンジチョウ - 羽化したてです.近づいても飛び立ちません.
蛹の抜け殻につかまり、ときどき羽を広げたり閉じたりしていました.

以上

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